●イグナシオ・アミルとの「シプセラ CIPSELA 」でフォルクローレやスピネッタ、G.ジルの作品を優れたジャズに昇華させた女優・歌手のフロール・ボバディージャ、ことフロレンシア・ボバディージャ・オリーバ。ほぼ同時進行で制作された2作めのアルバムが、今回ご紹介する「イシリィ」。 本作は安定感ある演奏のギタリスト、アベル・テソリエーレとのドゥオ・ボテ名義のアルバム。
タイトルの『YSYRY(イシリィ)』はスペイン語ではなく、彼女の出身地ミシオネス州周辺から隣国パラグアイにかけて暮らす先住民グアラニーの言葉であるグアラニー語で、「水の流れ」を意味する。この地域では人々は川と共に暮らし、フォルクローレも川べりの音楽であるリトラル音楽 música litoraleña が主流。
「スペイン語で書くと'agua que fluye'とか"agua que corre"という意味よ」と、フロール本人から教えてもらった。
そのタイトル通りにたっぷりの水をたたえたジャケット。中のアートワークも実に美しい。
ドゥオ・ボテのミュージック・ビデオでは丁寧にマテ茶を入れ、おしゃべりしながら音楽する様子が映し出されていて、マテ茶を入れる手順を学ぶ上でもとても参考になる。おおざっぱに見えて美しい所作、さりげなく温度や細かな手順をしっかり押さえている点がとてもいいなと感じ、神戸・塩屋で開催した「マテ茶とアルゼンチン音楽を楽しむ夕べ」の「最新映像」の筆頭にもご紹介した。


YSYRY by DUO BOTE (FLORENCIA BOBADILLA, ABEL TESORIERE)
イシリィ by ドゥオ・ボテ(フロレンシア・ボバディージャ、アベル・テソリエーレ)
→ Latina 2016年8月号
●もう一枚は、南米サッカー、特にウルグアイ・ファンにはたまらない。またサッカーファンでなくても楽しめる
2014年のサッカー、ウルグアイ代表応援曲集コンピレイション。
サッカー・ウルグアイ代表をユニフォーム・カラーから愛着を込め「セレステ(空色)」と呼ぶことがある。小さな音楽大国ウルグアイ、国を代表するSSW、カンドンベ&ムルガ・グループの代表的ナンバーで元気の出る、ちょっとメローなソングブックとしてサッカーファンはもちろん、老若男女楽しめる充実の16曲。いずれも代表応援に欠かせぬ定番中の定番曲揃い。

コンピレイション・アルバム
CANCIONES CELESTES 2014
カンシオネス・セレステス 2014
→ Latina 2016年8月号
その他、巻頭P.28~30(3ページ)、カラーで◆アカセカトリオ来日インタビュー【文と写真:谷本雅世、Chuky Velazco(p.30の写真)】書かせて頂きました。
来日前の予習に、8/11(木)発売来日記念盤『アカ・セカ・トリオ・ベスト』のご参考にも、ぜひどうぞ!
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